17/10/13

ドキュメンタリイ“ある文民警察官の死”ーカンボジアPKO23年目の告白ーを遅ればせながらみた。
1993年停戦合意後に何者かにーまぁポルポト派の兵士等だろうがーPKOの日本人達が襲われ1人が殺されるという事件が起き、日本に帰還した人間達の苦悶の23年間と、やっと告白できる時を得、忌まわしい記憶を掘りかえすように語り出す。
全編インタヴュー形式で構成された重い重いドキュメンタリイだ。
実はボクは91年、92年、93年と日本テレビ、チャリティー番組の仕事でそれぞれ10日ほど戦中のカンボジアの最前線に行っていて、特に事件が起こった93年は故ジョー山中さんとタイとの国境付近の町アンピル近くまで行っている。小さな川を挟んで向う側はポルポトテリトリー。
正にドンパチの真最中だった。ボクとジョーさんは数人のポルポト兵士もはっきり見たし、停戦合意なんて嘘っぱちで明らかに戦闘中だったのだ。恐ろしい肉弾戦。
まぁ実際各年10日ほどのカンボジア滞在で何が理解るかと言われればそれまでだが、その恐ろしさはボクをヘコませるのに充分だった。未だ夢にうなされる事がある。おぞましいものも多々この眼で見た。
現在、もはや戦前といっていい状況だけれど特に若い人達に逃げずにこのドキュメンタリイと対峙して欲しいと切に思う。
世界中に平和を希む歌が何万曲とあるのに戦争がなかった年は1年たりとない。世界のどこかで必ずドンパチやり続けているわけだ。
ボクも含め、人間のする事はなんだか馬鹿々々しいね。 そして、音楽もまた無力なんだな。