08/3/4 『下北沢と銀座』
銀座はハレの街。オレは銀座が大好きだ。何も高級バー遊びを知らなくても、銀座の街を歩いているだけでイイ気分になる。
例えば、靴屋は何でもありのチェーン店でなく、それぞれの店が、イギリス物、フランス物というふうに特化して品揃えをしているのが嬉しい。それに特に有名店でなくとも、寿司屋の魚の目利きが良かったり、ビアホールなんて本当に素晴らしい。
昔、銭回りがいい頃、憧れの英國屋でスーツをつくろうと現金大枚を懐に、何度も店の前を往来し、とうとう店内に入れなかったのを思い出す。
つまり、銀座とはオレにとってそういう街。これってとても象徴的な事件でしょう。
自分がこの街に釣り合ってないのをよく理解っていて、少しヨソイキの気分の時、それをよく満たしてくれる街。また、銀座はそうでなくちゃとオレは思う。
だからというわけじゃないが、オレはずっと下北沢に住んでいる。
ある種銀座とは真逆な、それに特に好きでもないこの街に住むというのも、それはそれで象徴的な事と思う。
でもねェ、下北沢って決してケの街じゃないんだよね。わさわさウルサイ。
ストンプがあるから仕方なくこの街に暮らしているけど、本当の事を言うと、どっか片田舎に引越したいと思っている。
静かに、静かに暮らしたい。